消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。



「わああっ…!」


財布、スマホ、鍵、ハンカチ……


飛んでいった物をアワアワと拾いに行く畑中さんを手伝う。


こうなったのは僕のせいと言えばそうだから、申し訳ない。



疑うなんて、ダメだな…。


はあ、とため息をついて自己嫌悪に陥りながらもせっせと拾う。


あとはもう無いかな…。


物が落ちていないか、辺りを見回す。



……ん?


なんだろう、あれ。


少し離れたところまで飛ばされていたノートを見つけて、拾い上げる。



あ、これ……


畑中さんが僕を待っている時、いつも見ているノートだ。


ていうか、これスケッチブック…?


B5サイズだし遠目だったから気付かなかった…。



未だに中身を見たことはないけど、普段から持ち歩いているらしいから大事なものなんだろう。


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