消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
とりあえず畑中さんをベンチに座らせて、飲み物を買って戻ってくる。
「はい、これ」
「……ぐすっ…。ありがとう…」
よく冷えたお茶を渡して、隣に座った。
缶コーヒーを飲みながら、隣に座る彼女に目をやる。
……良かった、だいぶ落ち着いたみたいだ。
ほっとして、視線をずらす。
今日も今日とて蒸し暑い日。
そよそよ流れる風を感じながら、ぼんやりと宙を眺めて、今しがた買ってきたコーヒーをまた一口飲む。
話、できるかな…。
この状態だと難しいかもしれないな。
さっきのことも気になるけど、無理に聞くのは野暮だし…。
それに、これ以上困らせたくない。
畑中さんを泣かせてしまった負い目もあって、どうにも調子が狂う。
ため息をつきそうになるのを慌てて飲み込んで、とりあえずは黙っていることにした。