消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。



自信はない、後ろ向き、発言力もない。


性格に難ありなのも、人との仲を構築する上で問題だ。



もう少し気さくに振る舞えたら楽なんだろうな。


はあ、とため息をついて考えてる間にもまた自信が一つ減っていくようで、思わず苦笑い。



そこに、アナウンスが流れて立ち上がる。


なだらかにホームに入ってきた電車のドアが開いた先は、意外にもガランとしている。


もう少し時間も早かったら違っていたんだろうな。


座れることが、なんとなく嬉しい。



端に座ろうと、すぐ横の席に体を向ける。


「…!」


少し離れた向かい側の席に、見覚えのある姿を見つけて、動きが止まった。




——彼女だ。



驚きで棒立ちになる僕の後ろで、ドアが閉まる音がした。


電車がゆっくり動き出して、体がよろけたことで我にかえる。


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