消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
* *
《まもなく、◯◯、◯◯。
お降りの方はお忘れ物なさいませんよう、ご注意ください》
……来た。
朝の通勤ラッシュ真っ只中。
吊り革に掴まり、本を片手に文字を追っていた視線を外して心の中で小さく呟いた。
車内放送を耳にして数十秒後。
電車はなだらかにホームに入り、停車した。
軽快な音が響いたと同時にドアが開いて、人の乗降が疎らに行われる。
下車するために後ろを通る人の波に押されて体勢がよろけるも、なんとか持ちこたえて安堵の息をつく。
ちらり、視線を移せば、乗り込んで来た中に目当ての相手を見つけた。
頰が緩むのを感じて、慌てて唇を引き結ぶ。
小さめの赤いリボン、校章のついた紺色のブレザー、淡い色の線が連なった同色のスカート。
見覚えのある他校の制服に身を包んだ一人の女子高生。