消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
けど、こらえきれずについに笑い出した。
「ふっ、ふふ……あはは…っ」
それは、毎朝見ていた姿とは異なっていて。
なんとなく、イメージとは違っていた。
冷静で理知的、それでいて大人びた綺麗な子。
それが、僕が抱いていた彼女への印象。
だけど目の前にいるのは、体を丸めて無邪気に笑う、年相応の可愛らしい女の子。
「え、っと……」
どうしたらいいか戸惑う僕に、一言。
「貴方、面白いね」
お、面白い!?
え、というかタメ口…!?
あまりの急展開について行けず、棒立ちになる。
日常のあれこれ(ほぼ哲の悪戯)を突然ぶっ込まれることはよくあるけど、生憎、要領の悪い僕にはすぐに対処できるような柔軟さが備わっていない。
結果、初めて見る彼女の姿に見惚れるのも忘れて、ぽかんとする。