消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
僕が返すと、また矢継ぎ早に言葉が返ってくる。
無言の時間がない…!
好奇心旺盛なのか、なんなのか。
すごく、その……ぐいぐい来る力強い押しに気圧されてしまう。
その一方で、感情がとてもはっきり顔に出る子らしく、くるくると変化する表情は見ていてすごく好感が持てた。
なんというか……もっと見ていたいと思う。
いや、もっと話したい。
気まずいとか、恥ずかしいとか、全部放り出してでも、彼女と。
そうして、すとん、と。
降りてきた本心に、自然と従っていた。
「僕は、橘直人。……君は?」
にっこり、彼女は人好きのする笑みを浮かべる。
「直人くん、ね。私は畑中咲彩って言います」
急に改まって言われて、小さく吹き出す。