消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
元の声が高いだけにその声色には驚いたけど、真剣な顔をする彼女に、突っ込んだことは言えなくて。
「…うん。友達なら、そういうことも気兼ねなく言えると思ったんだけど、違った?」
不安そうに、眉を下げて見せる。
いかにも、最初からそのつもりで話していたんだとでも言うように。
小さく、ほっと息をつく彼女の仕草には明らかに安堵の色が滲んでいて。
胸が、ちくりと痛んだ。
「そっか、ごめんね。ちょっと勘違いしちゃって」
「勘違い?」
「んーん、なんでもない!恥ずかしいから内緒ね!」
口元に人差し指を持ってきて、楽しそうに笑う彼女。
気がかりだった、彼女の反応。
思いの外すんなり受け入れられたことは都合がいいことなんだろうけど、どこか腑に落ちない点もある。
だけども今、それが気にならないのは他に頭を占めることがあるからだろう。