消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。

友達、勇気を持って




* *



翌朝。



「マジで!?え、ちょっ……どーいうことだよ詳しく聞かせろ!!」


喧騒で溢れ返った教室で、負けじと声を張り上げる哲に苦笑いした。


相談……の、つもりで半ば端折って話したけども。



やっぱり失敗だったな。


早くも後悔する。



彼女と偶然知り合って、勢いで告白してしまったことは話した。


けど、泣くほど抱えたあの、言い知れないドロドロとした感情については一切触れていない。



一応友達だし、話半分程度に言っても構わなかったかもしれない。


僕には考えつかないアドバイスももしかしたら、もらえたかもしれない。


だけど、個人的に言い出しづらかった。



どうしてだろうか。


その理由が自分でもよく分かっていなくて。



「……」


無言で考え込む僕に、聖司が声をかけてきた。


< 34 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop