消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
聖司を見ると、いつも通りすぎてまるで変化を確認できない。
涼しい顔でスマホをいじっている。
もう話を聞く気は失せたらしい。
やっぱり、僕が細かいだけなんだろうか。
はあ、と観念してため息をついた。
「……と、友達……?いや、知り合い?っていう形で前進は……うん、しました」
「何だよ今の妙な間は。つか知り合いって……せめて友達だろ、そこは。
ませた小学生が『ちょっと話したくらいで友達って言うのもおこがましいよね。顔見知り程度の仲から始めよう』ってくらい生温いぞそれ」
「いや、現実味ありすぎてむしろ表現おかしいけどそれ!?」
実体験かって思うくらいにはリアルな話だった。
「え、それ本当に実体験じゃ……」
「あ?萎えるよーなこと言うなよ」
「なんで!?」
もう、なんだろう。
なんか、うん。ツッコミどころがあり過ぎて疲れてくる。