消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。



画面を見ると、そこにはただ一言。



《今日の放課後、会えますか?》


これは……



即座に思い至った、これを送る意味。


冗談は抜きで哲が用意したんだ、意味がないわけない。


「後ろ向きなお前には一番の薬じゃねえの?」



これで終わらせない、と。


ここから進むという意思を持たないと、出ない勇気。



確かに、今の僕には必要なことかもしれない。


けど、本当にいいのかとも思ってしまう。


昨日の今日で。



いや、それ以前に僕は彼女と距離を縮められる気がしない。


昨日のことが頭にちらついて、この文面を破棄してしまいたい衝動に駆られた。


僕に会いたくないのでは。


そもそも、僕なんかが会っていいのか。



返事ももらえなかった僕が。


暗に拒否された僕が。


ああ、ダメなんじゃないかと思った。


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