消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
『友達だからね』
……あれ、なんだったか。
そういえば昨日、言っていた。
僕が、自分で。
受け入れてもらえなくて、何も言ってもらえなくて、彼女が望んでいないことを知って。
僕が、誤魔化して言った。
彼女は——畑中さんは、なんて言っていた?
それが何か、細い糸みたいなものに見えて、思い出そうとする。
僕が言って、彼女が……
ああ、そうか。
彼女は何も言っていなかった。
ただ『友達』と、その言葉に否定しなかった。
もちろん、肯定もしなかったのは告白してしまった時と共通しているけど、そうじゃない。
友達と知って、むしろほっとしていたではないか。
なら、それは受け入れてもらえたと、勝手な解釈だけどしてもいいんじゃないか。