消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
自分にしてはなんて強気に出るんだろうと思った。
けど、彼女を諦めるという最も簡単な選択肢が初めから僕の中に無かったことにも気付いて。
そうでないと、咄嗟のこととはいえ、あんな事は言えなかった。
自覚した瞬間、すとんと胸に何かが落ちた。
一人で悩んでいても、答えは出ないのかもしれない。
本人に直接聞くのも手なのかもしれない。
だけど、迷惑だと思われたら?
そう思いながらも、指は自然とスマホの画面に伸びていた。
——送信。
僕は、勇気を出せるだろうか。
そう思ってしまったのは、元の性質上、否めない。
不安でいっぱいで、どうしようもなく苦しい。
後に引けないのも事実で。
ただ……前に進むしかないんだと思い知る。