消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
「絶対、後悔するよ。
そんなに想われても、私は貴方を…——」
彼女の言葉がふつりと途切れる。
その先を言えずに、苦しそうに顔を歪めている。
言えない事情を抱えている。
そう直感した。
少なくとも、嫌われているわけじゃない。
前回返事をもらえなかった理由も、そこに繋がっているんじゃないかと思ったけど。
それ以上はダメだ。
僕が容易に踏み込める領域じゃない。
言いたくないなら、無理に聞き出すのも野暮な話。
気にならないと言えば嘘になるけど、あえて触れようとは想わない。
今日誘ったのは、相手の心に踏み入ってかき乱す為じゃない。
ただ、この気持ちを伝えるためなのだから。
「これからよろしく」
「…うん、こちらこそ。よろしくね」
意図に気付いたかは分からない。
けど、やっと笑ってくれた。
「そういえば、直人くん」
「ん?」
「私たちって、もう友達じゃなかった?」
「…えっ」