消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
「それで、ええと……何が見たいって言ってた?」
「んふふ、直人くんがすっごく苦手なやつ!」
「……ちょっと待って。まさかホラー映画?」
さあっと青くなる僕を前に、彼女は面白そうに笑う。
「だーいじょうぶ!幽霊とかは一切出てこないよ」
「あ、そうなの?なんだ、良かった」
「肉塊と化し、血飛沫が舞う、もうぐっちゃぐちゃのとんでもなくグロいやつ!」
「え、なにスプラッター!?それ結局ダメなやつ!!」
かわいい笑顔で何言ってるんだこの子!!
ホラーと括りの付くものはとにかく苦手な僕に反して、随分と図太い神経の持ち主らしいことも最近知った。
卒倒しそうな僕に、彼女は大げさなほど笑いながら、鞄から何かを出してくる。
「っ…つめた!」