消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
「え、ちょ、待って待って!転んじゃう!」
「あ、あああ、ご、ごめん!」
制止の声に慌てて立ち止まると、畑中さんは僕の背中に盛大に顔をぶつけた。
「え、大丈夫!?」
どうしていいか分からず、まごまごする僕に彼女は鼻を軽く抑えながらまた笑う。
「ふふ、大丈夫だよー。そんなに痛くないし」
「よ、良かった…」
「そーれーに、手を引かれないと歩けない子供じゃないよ、私。
ちゃんとついてくから安心しなさい!」
言われて、彼女の手をぎゅっと掴んでいたことにようやく気付く。
「わああっ!ごごご、ごめっ、ごめん!」
顔から火を噴きそうなほど恥ずかしい。
ばっ、と手を離すと、流石に彼女も苦笑した。