消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。

「直人くん直人くん。
喉渇いたからどこかカフェにでも入らない？」


「え、あ、そうだね」


…いつも通りだな。


今、一瞬何か違和感を感じた気がしたんだけど。


考え過ぎか。



そうして、カフェへと移った僕たちは例の如く自分の分をそれぞれ頼んで、腰を下ろす。


彼女の紅茶からは湯気が立ち上っていて、甘い香りがここまで届く。


「美味しい〜っ」


シフォンケーキを口に運んで頰を緩める彼女を眺める。



ああ、幸せだ。


いつまでも見ていられる、とコーヒーを口に含む。



「直人くん、それブラックだよね。苦くない？」


「美味しいよ。この苦さが癖になるっていうか」


「ふーん。甘いの苦手？」


「甘いものも好きだよ。コーヒーも同じくらい好きだけど」



甘味、辛味、苦味、大抵いける。


そういえば偏食もあまりしないな、と思っていると。