消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
畑中さんを背にして、間に割って入る。
突然割り込んできた僕に、虚をつかれたように彼女らに動揺が広がった。
「え、なに?」
怯んだ彼女らに背を向けて、畑中さんに向き直る。
怯えていないか、泣きそうな顔をしていないか。
とにかく心配だった。
「畑中さん、だいじょ——」
「え、あの……だれですか?」
“大丈夫?”、と。
聞こうとした僕の先を行ったのは、聞き慣れた声で紡がれた、信じられない言葉。
顰められた眉、揺れる瞳、強張った頰。
見知った彼女の顔に浮かぶ怪訝な表情は、明らかに僕に向けられていて。
どこか、妙な既視感を感じた直後。
頭の中が、真っ白になった。