消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
「……どうだろうね」
寂しそうなその顔を見て、理解した。
とんだ思い違いをしていた。
彼女は真っ向な人間だと思っていた。
嘘をついても顔に出るし、平気で人を騙すような人じゃない。
そんな先入観から、常に本音で話しているんだと。
そう、思っていた。
不自然、違和感。
確かにあったけど、後ろ暗いだとか、そういった素振りを見せないから、気付けなかった。
彼女の態度が、あまりにも“普通”だったから。
彼女の嘘。
それは、おそらく僕にとって好ましくないこと。
僕についていると、暗に言う。
仮定じゃない、これは事実だ。
だけど。
それが本意だとは、僕にはどうしても思えない。
だって、そうだとするなら矛盾している。
目の前にいる彼女は明らかに、自身の行いを恥じている。
顔を歪めて、目に涙を溜めている。
心を——痛めている。