消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
対処できることなら、一緒に考えたい。
彼女の背負っているものを無くしたい。
「な、直人くんっ?」
突拍子のない僕の言葉に困惑して、畑中さんはほんのり頰を赤く染める。
ほら、やっぱり。
表情がよく変わるところは相変わらずで。
嘘をつこうが彼女は彼女なんだ。
安心というか、むしろ型にはまったように妙な安定感がある。
それを見ていると、心がすごくほっとする。
「待つよ」
「…え?」
「畑中さんが思っていること、僕に隠していること、打ち明けてくれるまで待つよ」
気長に待っていよう。
彼女が本当のことを打ち明けてくれるまで。
これが今の僕の気持ちだ。
「……っあり、がとう…。直人くん、ありがとう‥っ」
顔を歪めて、今にも溢れそうな涙をぬぐいながら畑中さんは何度もお礼を言う。
受け入れがたいことはあったけど。
それでも心は不思議と心は晴れやかだった。