消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
「はぁああ……」
長いため息のあと、窓から腕を投げ出して突っ伏する。
「待つとは言ったけど……」
一体、いつまで待てばいいんだ…。
これだけ期間が空くと、変な想像までしてしまうようになる。
例えば……
彼女はもしかしたら記憶障害者なんじゃないか、とか。
おそらくは、接するうちに思い出すような短期的なものなんじゃないかと思う。
勝手な推測だけど、あながちハズレでもない気がする。
いや、でも僕と会う時は普通だったしな…。
彼女の知らないところでこんなことを考える自分に嫌気が差す。
これじゃあ、まるで探っているみたいじゃないか。
罪悪感に苛まれるけど、それでも……
もっと知りたいと、そう思ってしまう。
その思いは日に日に強くなっていて、ここ最近ではずっと頭を占めていた。
哲たちが僕の元気がないと言うのは、そのせいだろう。