臆病なわたしたちは
「どうだった?委員会。大変そう?」
からかうような笑みを見せながら葉月が言うと、流奈は不機嫌そうにしながらも答えを返す。
「話ろくにきいてなかったからわからん。」
「まぁ、そんなとこだろうと思ったけど。どうせ委員長の名前も分かんないんでしょ?」
「わかってんなら聞くなよ。」
「そんなつれないこと言わないでよ。でも大丈夫?私んとこは昨日活動の説明とか口頭でして、プリントには書いてなかったけど選管は?」
「え?ほんとに?」
葉月に言われ、プリントを確認するが、役員決めの事しか書かれていなかった。
「...どうしよ。」
「どうしよって...担当の先生に聞くか、同じ委員会の人に聞くしかないでしょ。」
そう言われて流奈は考え込む。
先生のところへ聞きに行ったら、教えてはくれるだろうが多少なりとも注意を受け、その上、次から目をつけられてしまうだろう。
それはなんとしてでも避けたいことである。
しかし、だからと言って聞きに行ける友達がいるわけでもない...。
「流奈に友達が少ないのは分かってるけどさ、いないの?昨日の集まりで仲良くなった人とか、話した人とか。」
(...話した人ならいる...のか?)