臆病なわたしたちは

「どうだった?委員会。大変そう?」

からかうような笑みを見せながら葉月が言うと、流奈は不機嫌そうにしながらも答えを返す。

「話ろくにきいてなかったからわからん。」

「まぁ、そんなとこだろうと思ったけど。どうせ委員長の名前も分かんないんでしょ?」

「わかってんなら聞くなよ。」

「そんなつれないこと言わないでよ。でも大丈夫?私んとこは昨日活動の説明とか口頭でして、プリントには書いてなかったけど選管は?」

「え?ほんとに?」

葉月に言われ、プリントを確認するが、役員決めの事しか書かれていなかった。

「...どうしよ。」

「どうしよって...担当の先生に聞くか、同じ委員会の人に聞くしかないでしょ。」

そう言われて流奈は考え込む。
先生のところへ聞きに行ったら、教えてはくれるだろうが多少なりとも注意を受け、その上、次から目をつけられてしまうだろう。
それはなんとしてでも避けたいことである。
しかし、だからと言って聞きに行ける友達がいるわけでもない...。

「流奈に友達が少ないのは分かってるけどさ、いないの?昨日の集まりで仲良くなった人とか、話した人とか。」

(...話した人ならいる...のか?)
< 6 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop