臆病なわたしたちは
「話した(?)人ならいる?」

「なぜ疑問形?」

「あれを話したと言っていいものか...」

「勿体振ってないで詳しく話せ。」

「そんな大した話じゃない...」

葉月が興味津々な様子で聞いてきたため、面倒くさいと思いながらも昨日あったことを伝える。




「ーーーってこと。恥ずかしかったんだろうね。」

「いや、絶対それ相手が勘違いしてるって。流奈にからかわれたと思ってるんだよ。」

「どうして?思ったこといっただけなのに。」

「考えてもみなよ、真面目そーな男子が可愛い落書きしてて、からかわれないと思う?」

「...全員私みたいな世界だったらからかわれないんじゃないか?」

「こら、面倒臭くなって適当に返してるだけでしょ。」

「あはっ、バレたぁ。てへぺ「可愛くないからやめて。」


「...葉月は優しくないな。」

「そんなことわかりきってたことだろ?」

「そうだなぁ。」

真面目に話を聞く気のない流奈に葉月はため息をつく。

「とにかく、勘違いされたままじゃよくないし、誰かに予定も聞かないとなんだから、その男子のとこ行ってこい。」

「でも名前も分からんし...」

「隣に座ってたってことは隣のクラスでしょ?隣行って『選挙管理委員に用事があるんで呼んで貰えますか』って言えばいいんだよ。」

「...」

退路を断たれてしまった。

(面倒臭い...。)

< 7 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop