臆病なわたしたちは
昼休み、流奈は葉月に教室を追い出され、隣のクラスの前の廊下に立っていた。
委員会活動上の危機を脱するため(それと誤解を解くため?)である。

そして、流奈はある問題に直面していた。

呼んだはいいが、男子生徒は教室にいなかったのだ。

(さて、これは予想もしていなかった問題だ。どうするべきか...



別に明日でもいいよな。)



「ーーということで帰ってきた。」

「はぁ、それなら仕方ないか...で?」

「で?とは...?」

「教室行ったんだから何かしら情報は得てきたでしょ。」

「ああ、そういうことか。名前とプラスアルファ位ならわかった。名前は杉宮透也というらしい。」

「プラスアルファは?」

「あいつも私並みに、いや、私以上に友達がいない!」

「マジで?流奈並み?可哀想に...」

「...私の扱いって...なんだ...」

流奈は思っていた以上の自分の扱いの適当さに呆然とするほかなかった。

「まぁ、いなかったもんは仕方ないし、放課後にまた行けば?」

「ああ、そうするよ」


(明日にしたい...とか言ったらまた教室追い出されるんだろうな...)

ともかく嫌々であれ、行かなければ行けないのは事実である。

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