【完】ホタル
それは。
私が人間で。ユキが妖怪だから。
人と、人ならざるもの。
本当は一緒にいてはいけないもの。
私もユキも分かっている。
それでもやめられない。
隣にいたいから。
だから、この気持ちを伝えることができない。
髪を撫でるユキの手が気持ち良くて。
そっとその手に指をからませる。
ユキもそれに応えてくれて。
指と指の間に自分の指をからませる。
「ユキ。」
「なんだ。」
「明日、お祝いしてくれる?」
「毎年の事だろう。」
「プレゼント、ちゃんと頂戴ね。」
「……考えておく。」
「素直じゃないんだから。」
「うるさい。」
そういうとユキは。
私の髪にそっと口づけした。
夜が明けきらぬ前に私はユキと分かれた。
「……もう頃合いか。」
そう呟いたユキは、家へと歩みを進める夏菜の後ろ姿を。
見えなくなるまで見つめ続けた。
私が人間で。ユキが妖怪だから。
人と、人ならざるもの。
本当は一緒にいてはいけないもの。
私もユキも分かっている。
それでもやめられない。
隣にいたいから。
だから、この気持ちを伝えることができない。
髪を撫でるユキの手が気持ち良くて。
そっとその手に指をからませる。
ユキもそれに応えてくれて。
指と指の間に自分の指をからませる。
「ユキ。」
「なんだ。」
「明日、お祝いしてくれる?」
「毎年の事だろう。」
「プレゼント、ちゃんと頂戴ね。」
「……考えておく。」
「素直じゃないんだから。」
「うるさい。」
そういうとユキは。
私の髪にそっと口づけした。
夜が明けきらぬ前に私はユキと分かれた。
「……もう頃合いか。」
そう呟いたユキは、家へと歩みを進める夏菜の後ろ姿を。
見えなくなるまで見つめ続けた。