【完】ホタル
第4話
日付が変わった夜。私の誕生日が始まった。
今日も白のワンピースを身にまとい、ユキのもとへと森を駆ける。



「ユキ!」



あの林を抜け、いつもの巨大樹が姿を現す。
でもそこはいつもとは違って。
いつもとは違って。



「……ユキ?」



「なんだ?」



「わっ。」



いきなり後ろから声がして。
びっくりして振り向くと。



「ユキ……、どうしたのその格好。」



黒五つ紋付羽織袴を着たユキが立っていた。
といっても、全部白いんだけどね。
黒じゃなくて、白色。



「お誕生日おめでとう、夏菜。」



「ありがとう。」



「これを着てくれ。」



「え?」



そう言って渡された服を。
言われるがまま着た私は。
着た後に気付いた。
これって……これってもしかして。



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