【完】ホタル
私たちは、腕を組んでその道をゆっくりと歩いた。
まるでヴァージンロードだ。
和と洋が混ざってる……。
分からないながらも頑張ったんだろうな。
悩みながら準備するユキの姿が浮かんで思わず笑ってしまう。
そっとユキの顔を見ると。
ユキも私の顔を見ていて。
ふわりと、微笑んでくれた。
その笑顔がひどく優しくて。
照れてしまった私は赤い顔を見られないよう、反対側に顔を背けた。
気付けば台の目の前まで歩いていて。
ユキはゆっくりと口を開いた。
「私、ハクは。夏菜を妻とし、
健やかなる時も。病める時も。
喜びの時も。悲しみの時も。
……たとえ離れることになったとしても。
夏菜を愛しつづけることを誓います。」
……今、なんて。
「ユ……キ?」
「誕生日プレゼントだ。」
「……!ハク!!」
ハク。
本当の名前を、ハク。
白、と書いてハク。
ぴったりだ。
やっと、やっと教えてくれたね。
子供じゃないって認めてくれたんだね。
「泣いてないで。夏菜の番だ。」