【完】ホタル
「おばあちゃんの事、知ってるの?」
「まあな。久しぶりに視えるものがいると思ったら。
そうか、お前がトキの孫か。」
そういってふわりと笑ったかっこいい男の子は。
私の頭を優しく撫でた。
その時、胸がとくんっと脈打った。
なんだろう……。
それにしても、目の前にいる男の子は。
私が今まで見た誰より美しかった。
透き通る銀色の髪。
アルビノのように真っ白な肌と睫毛。
目の色も私と違う、銀色の瞳。
身にまとった浴衣も白色で。
白くて美しい。
神様、に見えた。
「あなたはだあれ?」
「俺は、妖怪だ。」
「よーかい?」
「つってもわかんねえか、ちいせえしな。
まあいい。とりあえずお前は帰れ。」
「帰りかた分からない。」
「どうやってここまで来たんだよ。」
「気付いたらここまで来てた。」