【完】一ヶ月の恋人
第3話
「こんにちは。」
「いらっしゃい、詩羽。」
「今日委員会で遅くなった。
パイナップルでよかったよね、爽太。」
「うん、大好物。」
恋人になって1週間。
割と順風満帆だと思う。
といっても、特に恋人らしい事をするわけでもなく。
友達の延長線、のようなものだった。
恋人になるにあたって変わったことが少しだけある。
まずは敬語を使わないこと。
お互いを名前で呼び合うこと。
会うたびに必ず一回はスキンシップを取ること。
これだけは守るように、ということになった。
うえ二つはいい。
もう慣れてきたし、違和感も感じないし。
問題は最後のだった。
「じゃあ今日のスキンシップね。」
「……どんとこい。」
「じゃあ今日は、抱きしめてもいい?」
「……うむ。」
「では早速、ベッドに腰かけてもらってもいい?」
ドキドキしながらも椅子から立ち上がり。
ちょこんとベッドの端っこに座る。