【完】一ヶ月の恋人
そっか、そうだよね。
私も初めてだけど、爽太も初めてなんだ。
初めて同士なんだ。
緊張して、当たり前か。


そう思うとなんだか可愛く思えてきて。
まわした腕の力を強めた。


相手の体温を感じて。
心臓の音を感じて。
……安心する。
爽太の体温も、心臓の音も、匂いも。
全部全部、安心する。


暫くしてどちらともなく腕を離す。
顔を見合うとどちらとも真っ赤で。
どちらともなく照れ笑いする。



「これ、恥ずかしいねちょっと。」



「そうだね、ちょっと暑い。」



「……柔らかいんだね、女の子って。」



「なっ!?」



恥ずかしげもなく言い放つ爽太の言葉にさらに顔が赤くなる。
言い終わって気付いたのか、爽太までさらに赤くなる。



天然って怖い……。
しかもそれがイケメンってもっと怖い……。



「今日のスキンシップは合格?」



「うん、ありがとう詩羽。」



「いえいえ。」




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