【完】一ヶ月の恋人
詩羽って名前で呼んでくれる事も。
しょうがないなあって、笑ってくれる事も。
かわいいなあ、って言って頭を撫でてくれる事も。
全部全部私だけの特権だった。
先輩の卒業式の日。
第2ボタンがほしいなあなんて呟いていた事を覚えていてくれて。
全部もぎ取られた制服姿で。
前言ってたからなんていって、死守したボタンを私にくれて。
高校待ってるって、言ってくれて。
そんなの、期待するに決まってる。
他の子より明らかに特別扱いしてくれた。
だから、もしかしたらなんて思っちゃう。
あわよくば、なんて思っちゃう。
思わせぶりな態度とらないでよって。
こんな風に振るならもっと冷たい態度とってよって。
そう思う。
それでも、先輩が好きで。
傷つけないようにしてくれたり。
優しくしてくれたり。
そんな先輩が好きで。
そんな先輩だからこそ、好きになったし告白できた。
振られた時だって、ちゃんと納得できた。
はずだったのに。
この人のせいで。
風見さんのせいで。
納得しようと思ってたものが。
築き上げた虚勢がボロボロにはがれて。
涙と一緒に流れていった。
しょうがないなあって、笑ってくれる事も。
かわいいなあ、って言って頭を撫でてくれる事も。
全部全部私だけの特権だった。
先輩の卒業式の日。
第2ボタンがほしいなあなんて呟いていた事を覚えていてくれて。
全部もぎ取られた制服姿で。
前言ってたからなんていって、死守したボタンを私にくれて。
高校待ってるって、言ってくれて。
そんなの、期待するに決まってる。
他の子より明らかに特別扱いしてくれた。
だから、もしかしたらなんて思っちゃう。
あわよくば、なんて思っちゃう。
思わせぶりな態度とらないでよって。
こんな風に振るならもっと冷たい態度とってよって。
そう思う。
それでも、先輩が好きで。
傷つけないようにしてくれたり。
優しくしてくれたり。
そんな先輩が好きで。
そんな先輩だからこそ、好きになったし告白できた。
振られた時だって、ちゃんと納得できた。
はずだったのに。
この人のせいで。
風見さんのせいで。
納得しようと思ってたものが。
築き上げた虚勢がボロボロにはがれて。
涙と一緒に流れていった。