気まぐれ王子の溺愛






そして次の日、




「俺ちょっと購買いってくるわー」




もはや定番と化してしまった
一条の足の間でお弁当を食べていると
神川がそう言って屋上を出て行く。



あんなに食べてたくせに
まだ足りないわけ?



思春期の男子の食べる量って
計り知れない…




「さ、私は食べたから教室に戻るわ」






そう言って立ち上がったところで



一条に手を掴まれた。






「…………なに?」

「………」

「………」






振り向いても俯いたまま、
私の手だけをがっしりと掴んでいる。





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