気まぐれ王子の溺愛
「うっ、その反応…分かるよ…だけど僕から言っても話すら聞いてくれなくて…」
大の大人が情けない。
眉を下げながら
困ったように話す担任に呆れる。
「咲坂はみんなからの信頼も厚いし、きっと大丈夫だと思うんだ」
なにを根拠にそんなことを言うのだろうか。
私は確かに信頼されてるし
人気もあるけど、
あんな問題児たちが他人の言うことを
聞くとでも思うのか。
「…分かりました。とりあえず話ししてみますね」
ニコッと笑ってそう言えば
担任は安心したように
頼むよと一言、去って行った。