気まぐれ王子の溺愛






「下の名前で呼んでるんだ」




そう言って、そっと私の頬に触れた手。




「……は」




下の名前?って…苗字一緒だし。
てゆーか、弟だし。





「聞きたくないなぁ」





その瞬間の、一条の顔が





「…い、一条?」





少しだけ悲しそうに見えて




私は、ずっと抵抗し続けていた手を

緩めてしまった。









それを見逃さなかった一条は
瞬時に私の後ろ髪に手を掻きいれて








「んっ!?」







重なった私の唇と一条の唇。






< 50 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop