気まぐれ王子の溺愛





「なんつー顔してんだよ」




すっかり安定した屋上ランチ。


一条の足の間に座る私は
必然的に神川と向かい合わせ。




「なんつー顔って、見ての通り今日も華麗に美しい私よ」

「…なんでそこまで自信あんだよお前」




自信?あるに決まってる。


だって小さい頃からずっと
そう言われてきたんだもん。





私、全然可愛くなんてないよ〜
なんて、それこそ嘘くさい。




私はそう思う。




だけど周りはその謙虚さを求める。




口調まで変えて、いい子ぶって
そんな私にチヤホヤする様は
まったく滑稽だ。





そんなことを最近よく考えているからか、
神川になんつー顔と言われてしまった。





失礼なやつ。






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