気まぐれ王子の溺愛
「あ、私咲坂ユズです。一応同じクラスなんだけど知らないかな?」
屋上の隅の方にはベンチがふたつ。
そこに座っているふたりに
少しだけ近づいて話しかけてみる。
「だから何の用だっつってんだよ」
「………」
だから、何の用だぁ?
てめぇ「なんだお前」しか言ってねぇだろ!
こっちだってこんな役回り
やりたくねぇんだよ!!!!
いちいち睨みをきかせてくる
神川にイライラしつつ笑顔は崩さない。