君は俺を好きにならない。
深層意識

「俺」が生まれた時のこと

俺が生まれた時も君は泣いていた。

その時は身内の言葉に傷付いて、俺を生み出し俺の空間に逃げてきた。

俺は君の負の心そのものだから。

君の涙の理由も全て、分かっていた。

そして、俺が取るべき行動も。


『君はここにいて。大丈夫、俺が、この空間が君を守るよ。君の代わりに俺が向こうに行くから心配しないで』


俺は君を抱きしめてそういった。

そして、彼女を残し初めて出た向こうの世界-現実世界-は酷く嫌な空気で、この空気から彼女を守らなければならない衝動に駆られた。
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