初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
出かける準備を終えると、そこにタイミングよくメールの着信のメロディが鳴る。

~~~♪

ん、やっぱりいいタイミング。
こういうタイミングの良さって付き合っていく上ですごく重要。

でも、私は先輩にいいタイミングで連絡を入れてあげられてるんだろうか。
このタイミングは私にとってのものであって先輩にとってではない。
あとでそれとなく聞いてみようか。


受信したメールの件名を見て焦る。

【ごめん】

慌てて開いてそれを見る。本文に続いていたのは、一瞬想像したものとは違うもの。

【急いでいくこと考えてたら、会社出てすぐにメールするのを忘れてた。

たぶんあと10分ぐらいでつくけど、駅で待ってるからゆっくり来て】


やっぱり行けなくなった。そう続くのかと思って落胆した自分がいて、やっぱりすごく会いたいのを再確認。
ホッとするのと同時に、「後10分?」思わず声に出してた。

家から駅までは歩いて5分。
先輩の会社からなら30分はあるだろうなんて余裕で思っていたのに。
お財布とスマホを小さなバッグに突っ込むと、コートを掴んで慌てて家を出た。

もっと余裕を持って家を出て先輩を笑顔で迎えるつもりだったのに。
きっと駅に着いたら髪もグチャグチャになってそう……
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