初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
そろそろと顔を上げると先輩は覗きこむようにして「俺の名前知ってる?」と優しい顔で聞いてくる。
もちろん、知ってる。どうやって思い出したかは言えないけど。
「剛って書いてタケシ、ですよね?」
「ん、正解。」
嬉しそうな顔で頷く先輩。
「中学の時から、知ってましたよ」
そう言うと先輩の目元がさらに緩んだ。
「名前で呼んで欲しいかな」
ちょっとハードル高いけど。でもそう呼んで欲しいんなら、
「ど、努力します」
「うん、頑張って」
ちょうどその時階段を上る音がして、料理が運ばれてきた。
残念ながら、ヴォジョレーはもうなくなってしまったみたいで。
オーナーが今日のメニューに合うワインをチョイスしてくれてた。
それを先輩と二人、乾杯をして食べ始めた。
オーナーのお勧めは間違いなくて、なにより先輩がおいしそうに食べてくれてるから。ここにしておいて良かったなと思う。
「クルミ、このあとは?」
「あ、今日こそお茶して行きますか?先輩が疲れてなければですけど」
ここで別れてしまうのは少し寂しくて、顔を見ればもう少し同じ時間を共有したいなんて気持ちがわいてくるのは……
先輩の顔色を窺うようにして見ると、「ん、酒でもいいけど?」という先輩。
もちろん、知ってる。どうやって思い出したかは言えないけど。
「剛って書いてタケシ、ですよね?」
「ん、正解。」
嬉しそうな顔で頷く先輩。
「中学の時から、知ってましたよ」
そう言うと先輩の目元がさらに緩んだ。
「名前で呼んで欲しいかな」
ちょっとハードル高いけど。でもそう呼んで欲しいんなら、
「ど、努力します」
「うん、頑張って」
ちょうどその時階段を上る音がして、料理が運ばれてきた。
残念ながら、ヴォジョレーはもうなくなってしまったみたいで。
オーナーが今日のメニューに合うワインをチョイスしてくれてた。
それを先輩と二人、乾杯をして食べ始めた。
オーナーのお勧めは間違いなくて、なにより先輩がおいしそうに食べてくれてるから。ここにしておいて良かったなと思う。
「クルミ、このあとは?」
「あ、今日こそお茶して行きますか?先輩が疲れてなければですけど」
ここで別れてしまうのは少し寂しくて、顔を見ればもう少し同じ時間を共有したいなんて気持ちがわいてくるのは……
先輩の顔色を窺うようにして見ると、「ん、酒でもいいけど?」という先輩。