初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
近くにおしゃれなバーなんてないし。かと言ってこのあと居酒屋って言うのは……
「クルミの家で酒でもいいよってこと」
考えていた私に気付いた先輩がそう言ってくれてほっとする。
でも、今8時で、この時間から家で飲んだら―――?
一瞬浮かんだ想像を打ち消して。
「じゃ、何か買って帰りましょうか」
灯りの半分になった商店街を並んで歩く。
先輩の手にはお酒の入った袋とカバン。そして私の右手。
「だから、持ちますってば。お酒」
「ん?だから言ったろ?彼氏っぽい事したいんだって」
「でも……」
先輩のその言葉は甘くて、付き合ってるってことを実感させてくれる。
今までとは違う距離。
ぐっと縮まったそれに少しだけ照れくさくて俯いた。
先輩と私の歩く足音と時折カチャカチャと袋の中でなるお酒の瓶の音。
家に帰る人たちが少し速足でぬかしていくけど、私たちはそのままゆっくりと歩いた。
外は寒いけど、この手から温かさが伝わってきてそれを少しでも長く感じたいなんて、
やっぱり先輩の乙女が移ったよね?
「クルミの家で酒でもいいよってこと」
考えていた私に気付いた先輩がそう言ってくれてほっとする。
でも、今8時で、この時間から家で飲んだら―――?
一瞬浮かんだ想像を打ち消して。
「じゃ、何か買って帰りましょうか」
灯りの半分になった商店街を並んで歩く。
先輩の手にはお酒の入った袋とカバン。そして私の右手。
「だから、持ちますってば。お酒」
「ん?だから言ったろ?彼氏っぽい事したいんだって」
「でも……」
先輩のその言葉は甘くて、付き合ってるってことを実感させてくれる。
今までとは違う距離。
ぐっと縮まったそれに少しだけ照れくさくて俯いた。
先輩と私の歩く足音と時折カチャカチャと袋の中でなるお酒の瓶の音。
家に帰る人たちが少し速足でぬかしていくけど、私たちはそのままゆっくりと歩いた。
外は寒いけど、この手から温かさが伝わってきてそれを少しでも長く感じたいなんて、
やっぱり先輩の乙女が移ったよね?