初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
その想いの行き先は
どうしても奢ると言ってきかない木村を宥める術などなくて。
その木村が財布をノリちゃんに渡したから、そこからお金を払ったからねってノリちゃんが言い聞かせてやっと納得して店を出る事を承諾した。
なんとも面倒くさい奴だと思ったのは私が木村に対して愛がないから。
もちろんノリちゃんはヤレヤレって顔をしてるわりには世話を焼けるのは嬉しそうだ。
そんな二人をタクシー乗り場まで送ってホッと一息。
坂下くんも私も同じ路線。この駅からなら1時頃が終電の時間。
時刻はまだ11時前。
すでに大量に飲んでいるはずの坂下くんは思ったよりもキチンとしている。
案外強いのかもしれないなんて思った途端。
「日本酒飲みたくなった」
「え、」
その子供みたいな言い方にもビックリしたけど、なにより日本酒が飲みたいといったその言葉に驚いた。
何故、日本酒なのか。
前回私が、それを飲んで坂下くんに失礼な事を言ったはずなのに。
坂下くんの顔を見つめたまま固まっている私を見てフッっと笑った坂下くん。
「行くよ、クルミ」
坂下くんが初めて呼んだ私の呼び名に再度驚いて。
しかもその驚いた私の背中に手を置いて歩くように促す坂下くんのその手に。一気に顔が赤くなって、意識は中学時代の自分に戻っていくのを感じていた
その木村が財布をノリちゃんに渡したから、そこからお金を払ったからねってノリちゃんが言い聞かせてやっと納得して店を出る事を承諾した。
なんとも面倒くさい奴だと思ったのは私が木村に対して愛がないから。
もちろんノリちゃんはヤレヤレって顔をしてるわりには世話を焼けるのは嬉しそうだ。
そんな二人をタクシー乗り場まで送ってホッと一息。
坂下くんも私も同じ路線。この駅からなら1時頃が終電の時間。
時刻はまだ11時前。
すでに大量に飲んでいるはずの坂下くんは思ったよりもキチンとしている。
案外強いのかもしれないなんて思った途端。
「日本酒飲みたくなった」
「え、」
その子供みたいな言い方にもビックリしたけど、なにより日本酒が飲みたいといったその言葉に驚いた。
何故、日本酒なのか。
前回私が、それを飲んで坂下くんに失礼な事を言ったはずなのに。
坂下くんの顔を見つめたまま固まっている私を見てフッっと笑った坂下くん。
「行くよ、クルミ」
坂下くんが初めて呼んだ私の呼び名に再度驚いて。
しかもその驚いた私の背中に手を置いて歩くように促す坂下くんのその手に。一気に顔が赤くなって、意識は中学時代の自分に戻っていくのを感じていた