初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
開け放ったままだったドアの向こう。玄関の方に目線をやり、
「あの、来客みたいで、ちょっと待っててもらえますか?」
『そのままで』
そのまま?まさかね、こんな時間に連絡もなしに来るような人じゃない。
それにさっき家に帰ってる途中って。
こんな時間の来客に怪訝に思いながらドアスコープを覗く。
そこから見えたのは、先輩で。左手で電話を持ちじっとこちらを見ていた。
「あ、」
向こうから見えるはずなんてないのに、それでもそのまっすぐに注がれている視線に一歩後ずさる。
『だからそのままでって、―――プツ』
話してる途中だって言うのに、予告もなしに通話が切られた。
え、まさか。そのまま帰っちゃったりしてないよね?
不安になり慌ててチェーンを外し鍵を開ける。
扉を開けるとすぐに外から手をかけて、扉が閉まるのを押さえてる。
そして驚いている私を他所にその手は私の手を捉えると、今度は背中で扉をおさえながら、
「お邪魔してもイイ?」
ドアスコープ越しに見えた瞳と同じ視線を注いできた。
いくら深夜で連絡もなしに来たとはいえ、彼が家を訪ねてきているんだから断る理由もない。
ちょっと強引なその行動が意外で、でもそれが嫌なわけでもない。
「……さっき、言ってくれたらよかったのに」
嫌じゃないのに、こんな言い方しかできない。相変わらず可愛らしいことの言えない。
「あの、来客みたいで、ちょっと待っててもらえますか?」
『そのままで』
そのまま?まさかね、こんな時間に連絡もなしに来るような人じゃない。
それにさっき家に帰ってる途中って。
こんな時間の来客に怪訝に思いながらドアスコープを覗く。
そこから見えたのは、先輩で。左手で電話を持ちじっとこちらを見ていた。
「あ、」
向こうから見えるはずなんてないのに、それでもそのまっすぐに注がれている視線に一歩後ずさる。
『だからそのままでって、―――プツ』
話してる途中だって言うのに、予告もなしに通話が切られた。
え、まさか。そのまま帰っちゃったりしてないよね?
不安になり慌ててチェーンを外し鍵を開ける。
扉を開けるとすぐに外から手をかけて、扉が閉まるのを押さえてる。
そして驚いている私を他所にその手は私の手を捉えると、今度は背中で扉をおさえながら、
「お邪魔してもイイ?」
ドアスコープ越しに見えた瞳と同じ視線を注いできた。
いくら深夜で連絡もなしに来たとはいえ、彼が家を訪ねてきているんだから断る理由もない。
ちょっと強引なその行動が意外で、でもそれが嫌なわけでもない。
「……さっき、言ってくれたらよかったのに」
嫌じゃないのに、こんな言い方しかできない。相変わらず可愛らしいことの言えない。