初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
お風呂を出て、テレビを見ながら先輩からの電話を待つ。

付き合い始める前、こんな気持ちだった気がする。
寂しいが先に来るようになったのは何故なんだろう。

一人の時は先輩の存在に癒されてたはずなのに。
付き合ってからはその存在が近くにないと寂しいと感じた。

だけど今は、近くに居ないけどその寂しさは薄らいでる。
今なら言えるだろうか、先輩に。


~~~♪

着信:外山剛

それを見てすぐに手に取り「おつかれさまです」と言う。

『早いな、取るの』

そう言いながらも先輩の嬉しそうな声が聞こえる。

「はい、だって待ってましたから」

乙女力のない私はこんな言葉を言った事がない気がする。
だけど、本当にそう思ったから普通に口から出てきた。
乙女力なんてなくても勝手に備わっていくものなのかもしれない。

『…っ―――』

息をのむようなそんな声が聞こえて気がして、

「大丈夫ですか?」

『あぁ、うん。大丈夫、だけど……』

先輩の少しだけ動揺した声が聞こえた。
だけど勢いも大事で、それをわからない振りをして言う。

「あの、私。先輩に言わなくちゃいけない事があって」

『言わないといけない事?何それ、今じゃないとダメ?』

「はい、どうしても今日、がいいんです」
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