初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「せっかく用意してくれたからワインにしようか」
私としては少し先輩と飲めればいいかなって思ったからハーフボトルにしてた。
冷蔵庫からボトルを取り出して見せる。
「この前いったイタリアンのお店のオーナーのお勧めなんです」
「そのぐらいならちょうどいいかもな」
たぶん二人だと一杯とちょっとづつ。明日も仕事だからこのぐらいがいい。
グラスとボトルを運ぶと先輩はそれをオープナーで綺麗に開けてくれた。
「器用ですね?」
「ん?あぁ、昔結構ワイン飲んでたから」
そう言ってから自分の手元に視線を移した先輩は、ワインを一緒に飲んでいた相手を思いだしたのかもしれない。
たしか最初に会った時に振られたばっかりとか言ってたような……?
先輩がどんな人と付き合ってたのかは分からないけど、きっとその人がワイン好きだったんだ。
先輩は優しいからそれに合わせて色々飲んだに違いない。
でも、先輩がワインを嫌いじゃないんなら今度ゆっくり飲んでみたい。
「お休みの前とかにフルボトル飲みましょうね?」
「だな」
少し先の約束が出来るのは嬉しい。この先いつでもこれが果たされるような気がするから。
今日は初めてのクリスマスだから、まずは二人でお祝いしたい