初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
先輩はリボンをほどき袋の中からそれを取りだし、驚いた顔をする。
もしかして、もう持ってた?それとも少し可愛らしすぎただろうか。
不安に思いながら先輩の行動を見守る。

「これ、……」

あぁやっぱり、先輩の好み把握しきれてないのかもしれない。
休日モードの先輩が本来のオレって言ってたからって。もっと無難なものにすればよかった、そう思っていると、

「クルミに俺言った?」

「何を?ですか?」

不安な気持ちを抑えてそう聞くと、先輩はこれ以上ないってぐらいに破顔させて

「これ、スゲー嬉しい」

その顔を見てホッとすると同時にじわじわと喜びが湧いてくる。

「よかった……」

そう呟くと急に視界が暗くなる。

それを持ったままの先輩に抱きしめられてる。

喜んでくれて嬉しい、
先輩の温もりが嬉しい。

「クルミ、俺からのプレゼントももらってくれる?」

そう言って抱擁を解かれると急になくなった温もりが寂しい。

カバンの中から細長い箱を取り出し、「気にいってくれると嬉しいんだけど」といって私の手に持たせた。
そっと蓋をあけて中を確かめる。

華奢なチェーンに通ったハート型の小さな光る石。
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