初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
……あれ?気配は近くに感じるのに、いつまでも何も起こらない事についに目を開けてしまう。
そこに見えたのは唇をキュッと噛んでいる先輩の顔。
「……先輩?」
何か悪い事したかな?目を閉じて待つんじゃなくて私からいっといた方が良かった?いやいやさすがにそれは……
「ハァー、クルミやばいから、それ」
「え?」
困った顔で言う先輩の言ってる意味がわからない。
それってどれ?!って自分の中で突っ込みを入れてると先輩が口付けたのはおでこ。しかも軽く。
その行動にますます疑問符が浮かぶ。
「今日はこのぐらいでカンベンして」
「?」
「おれが色々無理。これ以上したら帰りたくなくなる」
眉を下げ、困ったように呟く。
だから、帰らなくていいって言ったのに。それに、
「やっぱり帰っちゃうんですか?」
もう少し一緒に居たくて、そんな事を言ってみる。帰るって宣言されてるからきっと帰るんだろうけど、あと少しだけ。私のそんな想いに気づかないのか先輩は、口をとがらせるようにして
「……クルミってさ、けっこうSだよな?」
「なんですかっ、それっ」
可愛く言ったはずなのに、先輩の反応は全く逆って言うかひどい言われよう。