初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
傍に居させて
「それで?なんで今日私と会ってんのよ」
「……それがね、
約束の金曜日。お泊りしてもいいようにバッチリ準備をして家で待ってた。
だけど夜遅くに先輩から来たのは、
【ごめん、迎えに行けなくなった】
そんな連絡だった。
「なにそれ、仕事?」
ノリちゃんが言うように、それを見た瞬間私も疑った。
だからすぐにその理由を聞くと意外な答え。
「ううん、親族の方に不幸があったらしくて」
「あーなんか年末とかって結構多いよねそういうの」
「そうなんだ……」
お休みになったらゆっくり会おうって言ってたからすごく楽しみにしてた。もちろん理由が理由なだけにそれを口にする事はないけど。
先輩はそのまま実家に帰ったからお休み中はきっと会えなくなりそうだ。
「クルミも帰ればいいんじゃないの?」
「帰るよ、31日に」
いつも実家に帰るのは大みそかで。自分の家の大掃除するなんて言い訳をしてギリギリになってから帰る。実家が嫌いなわけじゃないけど、一人暮らしが長くなってからは、実家に長居するのはなんだか落ち着かない。
「そうじゃなくてさ。先輩の実家どこか知らないけどあの中学の学区内だからきっと近くでしょ?」
「……わかんない」
「まぁ一緒に過ごすってわけにはいかないけど、ちょっとぐらいは会えるでしょ?それにそういう時って、一緒に居て欲しいもんよ