初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「いいの、かな」

はぁー

目の前で思いっきりため息をついたノリちゃんが怪訝な顔で私を見てる。

「クルミってさ、なんかめんどくさい」

「へ?めんどくさ、って」

「だってさ、先輩とくっつくたんだったらさっさとヤっちゃえばいいのにさ」

やっちゃえばって……ノリカさん、随分とストレートに……。

「べ、別に今更じらしてるとかそう言うんじゃないから」

「そうかもしれないけどさ、なーんか先輩もクルミも遠慮してるって言うかさ」

遠慮。その言葉に思い当らないわけじゃない。けど、本当にタイミングが合わないんだから仕方がない。

「……まだ付き合って間もないから、うまくできないだけだよ…――」
「ほら、そこっ!」

急に指を指されてその指をまじまじと見つめる。
真剣な顔のノリちゃん。あなた探偵ですか?

「クルミまた、うまくやろうとしてる」

!!!

「そういうの、もうやめるって。先輩なら出来そうって言ってたのに」

眉を下げて言うノリちゃんの指摘に。

「……だって、」

きっと先に続けても、言い訳の言葉しかでてこない。

でも、一緒に居たいと思う。
その笑顔を見ていたいと思う。
そこがはじまりじゃいけないの?
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