初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「それに?」
先輩の視線が痛い。ここで照れてる場合じゃないことは十分わかってる。メールで言ってるんだし、いまさらなんだけど。
「……言わないとダメですよね?」
先輩の視線から逃れるようにして目を伏せる。だけど逃れたそれを追うようにして肩を掴まれ視線を合わせられた。
「ごめん、クルミ。残念だけど、俺まだクルミの思ってる事。全部わかってあげられないから言葉にしてくれる?」
先輩は見事に私の逃げを察知して、しかも先輩からお願いするという形で私の言葉を促す。
こんな風に言われたら言わないわけにもいかない。むしろ何で言わないのってぐらいに。
「……迷惑じゃなかったら、傍に居させて欲しい……デス」
言ってしまってカーッと顔が赤くなるのを感じる。
外は寒いって言うのに、なんだって私はこんなに顔だけ熱いんだろう。
先輩からの視線を受けたままなんとか目をそらし下を向く。
すると上から聞こえてきたのはため息で。
ハァー
「……ほんとにクルミには振り回されっぱなしだな」
大した事じゃないのに、もったいぶったみたいになってしまったから呆れられた?やっぱり思った事そのまま言うなんて私には……
恐る恐る顔を上げるとそこに見えたのは先輩の照れた顔。
視線が合ってドキっとする。
すると先輩は私の頭に手を乗せて「あー、ごめん。すごいな、クルミの言葉の攻撃力」