初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「んーどうなんでしょうねー」
いやいや、そこは大丈夫って言うところでしょう、木村。
冗談でもそんな事言ったらノリちゃんが、
「ちょっ、聡っ」
思った通り、焦ってノリちゃんは木村に詰め寄ってる。だけどそれに動じずに表情を変えないまま。
「いや、だって。今はいいけど、先はわかんないだろ?」
そうだけどさ。
心変わりしちゃうのが当たり前みたいなそんな言い方はイヤだ。
「そんなの、二人次第なんじゃないの?」
そのやり取りを見ていたユキが口をはさんだ。
ユキは結婚してから二年。知っている限りでは一度も別れるとかそういう話しはない。二人次第と言っているぐらいだから旦那さんとは仲良くしてるんだと思う。
「いや、俺は変わんないから」
木村の言葉にユキもノリちゃんも「どう言う事?」って顔を見あわせてる。
「今は盛り上がってるけど、冷静に考えたらやっぱり違ったってノリカが思うかもしれないだろ?」
眉を下げて言う木村はここに来てもまだ不安が続いてるのが表情でわかる。
さっき言った言葉の意味が、最初に聞いた時に思ったのとは全く逆だった事に驚かされた。
「…そんな事、思わない、よ」
そう、誰だってそう願う。
その時ハッとして坂下くんを見ると、唇を軽く噛んで苦い表情をしてた。
今この話題って……