初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「まぁ、あれよ。二人が幸せだって思うんならそれでいいって事」
ユキがみんなの意見をまとめるように言う。
「鈴山は案外、いい事言うよなー」
「ちょっと、それってどう言う意味ですか?!私昔から色々といい事言ってると思いますよ?先輩?」
色々とってとこに十分に力を入れて言ったユキに先輩は何故かばつが悪そうで。
「カンベンしてよ、鈴山。」
「ふふふ、ほっんと先輩ってあの頃も今も乙女ですね」
私の知らないユキと先輩の関係にちょっとだけ嫌な思いがよぎる。
「クルミにも乙女だって良く言われるよ」
「そうですよークルミなんて断然男らしいのに先輩って。……ま、あれですね。人はないものを求めるってヤツですね?」
先輩はいいようにユキにからかわれてる。酒の席におもちゃにされるのほどたちの悪いものはない。しかも今も昔も変わらないなんて言われてたら。
「鈴山だってそうだろ?旦那すげー真面目な奴って聞いた」
「ですよー、ないものに惹かれるんですって」
ケラケラと笑うユキに先輩もあきれ顔。すでにユキ、ちょっと酔ってる?
会話の着地点をうまく見つけた二人は、間に居る坂下くんを気にする事なく酒を酌み交わしてる。
私が知らなかっただけで、実はこの二人あの頃から仲が良かったのかもしれないな。